
昨今、インターネットが普及し、酵素系の商品に関する情報を容易に取得することができるようになりました。
しかしながら、情報が多すぎて何が正しいのかの判断が困難です。
本来、商品を使用するべきではない人が使用してしまい、健康被害に遭ったという事例はたくさんあります。
当メディアではそのようなことは望んでおりません。
そこで、酵素系の商品を含む健康食品について、正しい知識をもってもらいたく当ページを作成しました。
酵素系の商品を選ぶ前に知っておくべきこと
その商品本当に必要?
酵素サプリや酵素ドリンクなど、酵素系の商品は腸内環境を整えて健康的にダイエットできるようサポートしてくれる商品です。
しかしながら、常日頃から適度な運動とバランスの良い食事をしていれば、必要な栄養はそれほど不足していないので、腸内環境は悪くないと思われます。
したがって、酵素系の商品は不要であるといえます。
なお、食事バランスについて、厚生労働省・農林水産省が共同作成した「食事バランスガイド」を参考にしましょう。
このイラストは1日に「何を」「どれだけ」食べたらいいのかの目安を表しています。
健康食品の分類
日本において「食品」とは「国が制度を創設して機能などの表示を許可しているもの」と「それ以外のもの」に分類されます。
一般的に健康食品は、国が効果や機能の表示を許可していないもの(一般食品)を指します。
しかしながら、「保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)」にプラスして「いわゆる健康食品」と分けて記載される場合もあります。
特定保健用食品(トクホ)
栄養機能食品と機能性表示食品との大きな違いは、製品ごとに高価や安全性について国の審査が行っていることです。
審査が通ると消費者庁長官が許可を出します。
栄養機能食品
指定の栄養成分が基準量含んでいる食品であれば、国が定めた表現によって機能性を表示することが可能です。
国への届け出や審査は不要で製造側の自己認証となります。
なお、栄養機能表示ができる成分とできない成分があり、栄養機能表示可・不可の両方を含んでいる製品で、機能表示不可の成分を大々的にアピールしている場合もあります。
ですので、消費者庁許可と記載があっても「どの成分が基準をクリアしているのか」がポイントなので注意が必要です。
下記が栄養機能食品として、
機能表示ができる栄養成分となります。
機能性表示食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品となります。
なお、商品販売日の60日前までに消費者庁長官に届け出を出さなければなりません。
この「科学的根拠」の基となるのは
・最終製品を用いた臨床試験
・最終製品又は機能性関与成分に関する文献調査(研究レビュー)
のいずれかとなります。
なお、「最終製品を用いた臨床試験」に基づいた科学的根拠であれば、商品パッケージに『〇〇の機能があります』といったように表示されます。
「研究レビュー」に基づいた科学的根拠の場合は、商品パッケージに『〇〇の機能があると報告されています』といったような表示が基本とされています。
酵素系の商品で確認すべき3つの表示内容
①成分をチェック
どのようなものが入っているか不明だと、その商品が有効なのか、および安全なのか判断がつきません。
②含有量をチェック
いくら身体に良い成分であっても、摂取量が多いと健康を害する可能性があります。
そのため、その商品の有効性や安全性を判断するためにも、成分の含有量はとても大事なのです。
③問い合わせ先をチェック
食品衛生法で製造者・販売者・輸入者などの表示が義務付けられています。
そのような表示がなければ法律に反していますので、そのような商品は購入しないほうがよいでしょう。
違法商品には要注意
健康食品の中には、故意に薬の成分を添加した製品があります。
このような製品を(無承認無許可医薬品)と呼びます。
薬の成分なので、その含有量や種類によっては健康を害する可能性があります。(過去に死亡事例あり)
違法商品を避けるために、海外輸入品には注意しましょう。
その理由は海外輸入品で健康被害を受けた過去事例が多いからです。
酵素系の商品を使用する前に知っておくべきこと
薬と同じように使わない
病気にかかっている人や何らかの薬を服用している人が、
健康食品を薬と同じように使用してしまうと、
病気が治るのが遅くなったり、症状が悪化してしまう恐れがあります。
自己判断は決してせずに、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
アレルギーのリスクがあることを知っておこう
健康食品は医師や薬剤師から処方された薬と違い、
自己判断で購入することができます。
そのため、アレルギーが出るかどうかについても自己判断しなければいけません。
自身が何からのアレルギーをもっているかどうかを把握するのはもちろんですが、使用を検討している商品の配合成分がアレルギーを起こすものがないかチェックするのも重要です。
薬を服用している場合は使用を控える
薬と健康食品を併用すると、薬の効き目が弱まったり副作用が強くなったりした事例があります。
その主な事例が下記となります。
一度に使用する商品は1つに絞る
健康食品に含まれている成分の研究はまだまだ発展途上のため、
成分を分析する方法や、成分同士にどのような相互作用があるのかは、未解明の部分が多いです。
そのため、たくさんの種類の成分を摂取しようと色んな商品を使用してしまうのは危険といえます。
万が一健康被害に遭ったら、どの成分が原因なのか究明することが困難になってしまうのです。
過剰摂取は厳禁
錠剤やカプセル状の商品は味やニオイがなく飲みやすいため、「たくさん飲めば効果も高まるのではないか?」と思ってしまう方も少なからずいらっしゃると思います。
身体に良いとされている栄養成分であっても、過剰摂取してしまうと健康被害に遭ってしまうリスクが高まります。
必ず商品パッケージなどに記載されている摂取量を守りましょう。
もし効果がなかったら・・・
「スリムになりたくて酵素系の商品を買ったのに全然効果がない」という経験をされた方は多いのではないでしょうか?
もし3、4ヶ月試してみて効果を感じなかった場合、
その「商品を使用することで得られる恩恵」と
「その商品を使用することで生じるリスク」について考えてみましょう。
考えた結果リスクの方が大きい場合、思い切ってその商品をやめてしまうのも一つの手ですよ。
商品だけに頼らない
どのような酵素系の商品であっても、それを摂取するだけでダイエットできるということはありえません。
適度な運動をすることも必要です。
商品のなかには「飲みだけで痩せる」といった宣伝をしているものもありますが、鵜呑みにしないようにしましょう。
体調がおかしいと感じたら即使用中止を
その日の身体の調子や体質によって体調不良になったり、アレルギーが出たりする可能性があります。
もしそのようなトラブルになったら症状を悪化させないためにも、すぐに使用中止してください。
そして、病院を受診し保健所へ報告をしましょう。
商品情報の正しい知識を知っておこう
天然由来や自然由来のものが安全とは限らない
「天然由来や自然由来のもの」=安全
というイメージをする方もいらっしゃると思いますが、
天然由来や自然由来の原材料が配合されている健康食品でも、アレルギー反応が出てしまったという健康被害の事例はあります。
そのため、天然由来・自然由来のものが配合しているからといって安心してはいけません。
健康食品は病人向けではない
酵素系の商品含めた健康食品で病気が完治したとの、研究結果の報告は現在ありません。
「飲むと病気が治る」といった宣伝は薬事法違反ですので、そのような宣伝をしている商品は絶対買わないようにしましょう。
病人や妊婦、小児や高齢者などは健康被害のリスクは高いので注意してください
現時点で報告があった健康食品素材と注意すべき利用対象者の組み合わせを下記に記載しますので参考にしてください。
専門家推薦というだけでは安心できない
「◯◯が推薦」という宣伝をしている商品が多く市場に出回っています。
しかしながら、専門家が推薦していることが必ずしも「その商品がダイエットに有効である」という証明にはなりません。
その専門家1人だけ主張している可能性があるのです。
有効性について信頼できる情報というのは、1人だけでなく多くの科学者が様々な角度から確認・評価を必要とします。
また、商品のなかでは特許を取得しているものがありますが、特許取得=その商品が有効である、という証明にはなりません。
そのほか、「◯◯賞 受賞」という受賞歴を記載している商品も多いですが、なかには商品の有効性と関連のない賞も多くありますので注意しましょう。
そして、テレビや雑誌などのメディアに取り上げられる商品もありますが、情報の一部だけを切り取っている場合もあります。
その情報だけで全面的に信用したりせず、ほかの情報も収集することが大事です。
最後に
健康食品に関する正しい知識を得るためには、信頼できる機関から情報を取得するのが一番重要です。
誤った知識のまま、酵素系の商品を使用してしまうと思わぬ健康被害に遭う可能性があります。
下記に信頼できる機関のサイトを記載しますので、参考にしてくださいね。
組織などの名称 主な提供内容 厚生労働省 食品の安全性確保に関する情報 内閣府食品安全委員会 食品の安全性評価に関する情報 消費者庁 食品の表示に関する情報
(特定保健用食品、栄養機能食品、
機能性表示食品、特別用途食品など)国立医薬品食品衛生研究所
(食品の安全性に関する情報)食品の安全性に関する国内外の
情報国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
(「健康食品」の安全性・有効性情報)健康食品に関する基礎的情報、各
成分に関する有効性や安全性の論
文情報、有害情報など(独)国民生活センター 健康食品に関する個別製品の検査
結果など東京都
(健康食品ナビ)健康食品に関する情報 (公財)日本健康・栄養食品協会 製品の自主規格や業界として必要
な情報など(一社)日本健康食品規格協会 製品の自主規格や業界として必要
な情報など日本医師会
(健康食品のすべて―ナチュラルメ
ディシン・データベース)健康食品の有効性、安全性、医薬
品との相互作用(飲み合わせ)の
解説など。症例も掲載。